日本代表の2つの課題を同時に解決する起用 伊東と前田の“快速コンビ”が織り成す相互作用

2022-06-11

日本代表はキリンカップサッカー2022でガーナ代表に4-1で勝利した。日本が誇る快速コンビが、チームの4点目を決めて大勝に貢献する。

2-1で迎えた63分に堂安律に代えて伊東純也を投入した日本は、1点を追加した80分に前田大然を途中出場。スピードを武器とする両名がガーナ守備陣に襲い掛かると、82分には伊東が抜け出してドリブル突破でチャンスを作る。伊東のスピードに付いていった前田が中央でクロスボールに合わせてゴールをゲットした。

以前までの日本代表はスピードのある伊東が右サイドから裏へ抜け出して突破を図るものの、彼の速さに味方も追いつくことができず。伊東が抜け出しても中央に誰もいないなど、カウンターを完遂することができない状況も見られた。

またブラジル戦で途中出場となった前田もスピードを生かせる場面は少なく、中央での動き出しが上手い前田にサイドからいいクロスを供給することができず。孤立してしまう場面も見受けられ、彼の起用法も課題の1つとなっていた。

そんな両者の課題を解決するのが、快速コンビの同時起用だ。伊東の速さにも追いつくスピードを持った前田は、伊東の突破でもすぐに横でクロスの準備をしていた。また伊東も前田へタイミングのいいクロスでゴールを創出。2人の相互作用で、決め切ったゴールだったといえる。

ブラジル戦では同時にプレイしていた時間が5分ほどしかなかったため、両者が絡んだプレイはあまり見られなかった。それでもガーナ戦で見せた2人の攻撃は、さらに連携を深めることで、日本の大きな飛び道具となっていく。

【日本代表】川島永嗣、W杯大会へ細部の詰めの大切さ強調「差がつくのは小さいところ」

2022-06-11

サッカー日本代表GK川島永嗣(39=ストラスブール)が11日、取材に応じ、11月のワールドカップ(W杯)カタール大会に向けて、細部の詰めの大切さを強調した。

川島は10年、14年、18年と3度のW杯に出場。期待されながらも1次リーグ敗退に終わった14年ブラジル大会、下馬評が低いところから決勝トーナメントに進んだ10年南アフリカ大会と18年ロシア大会を経験した。「(勝敗の)差がつくのは小さいところ」だという。「レベルが上がれば上がるほど、1つのシーンでなにを考え、どう判断するかが勝敗を変える」と、戦術や準備を超えたところに勝負のあやがあると実感を語った。

W杯という大舞台になれば「準備したから結果が出るというスタンスでいてはいけない。積み重ね以上のものが出せるかになる」と語る。周囲の予想をはるかに上回る力を見せた18年W杯ロシア大会のベルギー戦でさえ、最後の最後でひっくり返された。「(欧州CLを制覇した)レアル・マドリードが戦術的に優れていたかというとそういうわけではなかった。苦境に立たされたときにどれだけ盛り返せるかも大切になる」。

一朝一夕に培えるものではないが、6日のブラジル戦では学びが多くあった。出場機会こそなかったが、試合を見ていてブラジルは日本に比べて相手が嫌がる部分を突いてくる戦術眼があったように映ったという。「相手を見た上でやっていかないといけない部分でもあるかなと感じた。そういう細かいところはもっと自分たちが成長するために必要だし、差を埋めていくうえでは詰めていかないといけない」。王国ブラジルが残した成長へのヒントをここからものにすることが、W杯での躍進につながる。

【日本代表】前田大然代表初ゴール「すごく力をもらっている」不発パラグアイ戦後に愛娘から動画

2022-06-11

日本代表初ゴールを決めたFW前田大然(24=セルティック)が、愛娘の応援に感謝した。

後半35分から途中出場し、その2分後。持ち前のスピードで駆け上がったFW伊東のパスに、前田もスピード力でゴール正面に飛び込み押し込んだ。

「パラグアイ戦で決定機を外したので、そこから次チャンスがあるかないかというところで戦っていた。今、本当にほっとしている感じです」

途中出場でゴールを決めきれなかった2日のパラグアイ戦(札幌ドーム)の後、愛娘の動画が届いた。

「息子はまだしゃべれないですけど、娘が動画を送ってくれたり、そういうのはすごく力をもらっている。それのおかげかなと思います」

3日後の13日は、愛娘の3歳の誕生日。「プレゼントじゃないですけど、決めたい思いあったので、本当に良かったかなと思います」。

パパの顔をのぞかせながら、喜びをかみしめた。

【日本代表】久保建英、代表17試合目で初ゴールに「長かった…」デビューから3年、21歳6日

2022-06-11

サッカー日本代表(FIFAランク23位)MF久保建英(マジョルカ)が国際Aマッチ17試合目、21歳6日にして待望の初ゴールを決めた。ワールドカップ(W杯)カタール大会(11月21日開幕)に向け、森保ジャパン生き残りがかかる中で1つ結果を出した。

キリンカップ(杯)のガーナ(FIFAランク60位)戦に4-3-3布陣の右のインサイドハーフで先発出場。同じくW杯に出場するアフリカの強豪を相手に、2-1の後半28分に得点した。MF三笘が左サイドを突破し、ゴール前へパス。走り込んだ久保が左足で蹴り込んだ。久保は昨年6月5日、東京オリンピック(五輪)に向けたU-24日本代表の強化試合でもガーナ(U-24代表)から得点を奪っていた。

この日は3月29日のW杯アジア最終予選ベトナム戦以来の先発で、同じ右サイドを得意とする攻撃的MF堂安律とともにピッチに立った。開始3分で相手選手からタックルを右足に受けてピッチに倒れて悶絶する場面もあったが、闘志あふれるプレーを披露し、チャンスをものにした。

久保は2019年6月19日のエルサルバドル戦(2-0勝ち)の後半22分から途中出場し、18歳5日で日本代表にデビュー。98年のMF市川大祐が持つ17歳322日に次ぐ史上2番目の年少出場記録をつくり、代表最年少得点(金田喜稔19歳119日=1977年6月15日・韓国戦)の更新が期待されていたが、そこから3年も待つこととなった。

試合後、久保は「長かったですね、このまま一生入らないかと思っていました」と答えた。

久保は現状、右MFで伊東純也、堂安律に続く3番手にいる。2日のパラグアイ戦(3-1勝ち)には後半26分から途中出場したが、6日のブラジル戦(0-1負け)は出場機会がなかった。

残るは14日のチュニジア戦、そして9月に予定されている2試合の計3試合しかない。W杯登録メンバー26人入りを懸けたサバイバルへ、この得点を足掛かりとしたい。

なぜそこに? 山根視来がゴールに絡める理由。サッカー日本代表の右サイドバック、長友佑都との違いは?

2022-06-11

サッカー日本代表は10日、キリンカップサッカー2022でガーナ代表と対戦し、4-1で勝利した。先制点を決めたのは、右サイドバックでプレーした山根視来だった。

0-0で迎えた29分にゴールが生まれた。久保建英からリターンパスを受けた堂安律が右サイドから中央に絞り、ハーフスペースでパスを受けた山根は右サイドの久保へつなぐ。カットインする素振りからハーフスペースの堂安へパスを出すと、堂安はワンタッチでDFラインの裏へパス。ここに走りこんだ山根が左足でゴールに流し込んだ。

このゴールが想起させるのは、山根の代表初ゴールである。デビュー戦となった2021年3月の韓国代表戦。ここでも山根はハーフスペースからDFラインの裏を取り、ゴールを決めている。

ゴール脇のポケットで仕事ができるのは山根ならではの特徴と言える。ブラジル代表戦で右サイドバックとしてプレーした長友佑都もこの動きを何度か見せていたが、深い位置からクロスを上げるというのがほとんど。一方で山根はそういったクロスに加えて、直接ゴールを脅かすこともできる。

日本代表(やJリーグ)ではビルドアップの際に大きく開くサイドバックが多いが、山根は絞った位置で組み立てに参加できる。相手のファーストディフェンスを超えるための貢献度が高く、前述の通りアタッキングサードでも効果的なプレーが選択できる。ワールドカップのようなトップオブトップでの経験はないというのが唯一の懸念点となるだろう。

元々は攻撃的なプレーヤーだったが、湘南ベルマーレ加入2年目に3バックの右にコンバートされた。2020年に加入した川崎フロンターレでは右サイドバックとしてJリーグ連覇に貢献、2年連続ベストイレブンに輝いている。酒井宏樹の負傷も重なり、カタールワールドカップアジア最終予選では4試合に先発している。  右ウイングに同じ右利きの伊東純也が入った際は苦心した試合もあったが、左利きの堂安や久保とは、所属する川崎の家長昭博と同様に良い関係を築いている。組み合わせ次第では、ワールドカップに向けて重要な選択肢になるのではないだろうか。

快勝の日本代表、ブラジルメディアの採点は?MOMは三笘薫、初ゴールの久保建英に賛辞も

2022-06-11

ブラジルメディア『Globo』が、ガーナ代表戦を戦った日本代表の選手たちを採点している。

6月4連戦の3試合目、ガーナと激突した日本。前半から主導権を握って試合を進めると、29分に山根視来が先制点。44分には失点したが、直後に三笘薫が勝ち越し点を奪うと、73分には久保建英に、82分には前田大然にA代表初ゴールが生まれ、4-1で快勝を収めている。

この一戦に出場した選手たちについて、日本に精通する『Globo』のチアゴ・ボンテンポ記者が採点。マン・オブ・ザ・マッチには、三笘を選出している。「7.5」と高評価を下した。

「左ウイングでの個人技はバランスを崩し、チームメイトとの少ないタッチでのパス交換などは良かった。チームの2点目を決め、美しいパスで久保のゴールをお膳立て。代表では6試合で4ゴール2アシストだ(MOMも3度目)」

また、A代表初ゴールの久保は「7」と評価。「時間はかかったが、ついにA代表初ゴールを奪った。開始直後から良く、それに値しただろう。より中央で何度もプレーに絡み、ファウルを受け……要するに彼に期待されているプレーを見せたということだ」と評価している。

そして森保一監督については、「6.5」と採点している。「パラグアイ戦同様に(普段と)違うチームを選択し、期待通りのパフォーマンス。つまり、最初から最後まで支配し、打ちのめした。どこまで有効なテストだったかは疑問が残る。相手の唯一のフィニッシュの場面で失点したからなおさらで、結果も物語っている」と綴っている。

森保一監督「失点は私の責任」。サッカー日本代表、山根視来のパスミスはどう捉えるべきなのか?【キリンカップサッカー2022】

2022-06-11

【日本 4-1 ガーナ キリンカップサッカー2022】

キリンカップサッカー2022の第1戦が10日に行われ、サッカー日本代表はガーナ代表に4-1で勝利を収めた。

唯一の失点は43分に生まれた。相手のプレッシングによって自陣深くに押し込まれた際、DF山根視来のパスがカットされたところがきっかけとなった。

森保一監督は「視来とあのプレーの判断についてまだ話していませんので、本当にあそこにパスを出そうとしたのか、違うところに出そうとして思ったところにいかなかったのかは、私もちょっと判断しかねるところがある」と語った。

しかし、山根を責めるのではなく「失点自体は私の責任」だと森保監督は言う。なぜだろうか。 「ただクリアにするだけではなくて、守備から攻撃のところでできるだけボールをつなぐ、マイボールで一度ボールを保持しながら攻撃を組み立てることはトライしてほしいと選手たちに試合前のミーティングで話しました」  もちろん山根に対しては「失点にはつながっていますし、本人に改善してほしい」と述べる一方で、「選手たちが恐れずに勇気を持ってチャレンジしてくれたことは評価したい」と相手のプレスを恐れることなくパスをつなぐ選択をしたことに理解を示した。

「ボールロストしたから失点になりましたではなく、パラグアイ戦も、今日のガーナ戦も、ブラジル戦のPKを与えたシーンもそうですけど、やはりボールをつなぐことはしっかりやっていかなければ、勝つ確率は上がらない。そこにはもっともっとトライしてほしいということと、かつロストしてカウンターを受けた時に絶対に守れるようにしていきたいなと思います」

もし今回のようなパスミスが起きて相手のカウンターを食らっても、そこで守り切る力をチームとして養っていくこと。ガーナ戦の失点は、より小さなミスが敗戦のリスクとなるワールドカップ本大会に向けて、山根にとっても日本代表にとってもいい教訓となるものだった。

FC東京アルベル監督が富士大学の円陣に「男気の緊急参加」! 「勇気を評価する」と学生に激励の言葉を送る

2022-06-11

■6月9日/天皇杯2回戦〔31〕 FC東京 2ー0 富士大学(味スタ)

代表期間中に行われた天皇杯2回戦。FC東京が富士大学を危なげなく撃破し、3回戦に進出した。渡邊凌磨がゴール前の混戦から先制ゴールを奪うと、アダイウトンがPKで追加点を奪取。後半は追加点を奪ことができなかったが、完封勝利した。

隙を見せない試合運びだった。多くのJ1チームがすでに天皇杯2回戦を終えた中で、FC東京とコンサドーレ札幌だけはこの日に試合が行われた。日程に余裕ができたとはいえ、スターティングメンバーはリーグ戦のそれから大幅に変更したものではなかった。

最終ラインはキャプテンマークを巻いた森重真人にこれが味スタラストマッチとなった小川諒也、そして木本恭生と中村帆高だ。中盤は東慶悟、渡邊凌磨、安部柊斗で3トップは永井謙佑、アダイウトン、山下敬大。GKは波多野豪。アダイウトン以外の外国人を休ませた形で組んだ。相手がどこであってもベストを尽くそうとするアルベル監督の意志が垣間見せたメンバーだった。

富士大学との力の差は歴然としていた。スピードやテクニックはもちろん、球際の強さでも一切手抜きはなかった。ジャイアントキリングが起きる素地はなかったともいえる。それでも、富士大学は守備を固めてカウンターというサッカーを選択しなかった。ボールを保持しようと努め、チャンスがあればスルーパスを通そうとするなど、チャンスをうかがった。

■富士大学の円陣に加わったアルベル監督

そんな姿勢が、アルベル監督の心に刺さった。試合後、富士大学の選手がピッチの上で円陣を組むと、そこにアルベル監督が加わったのだ。そして、選手に激励のメッセージを送った。

「勇気を持ったプレーをしてくれた。とても評価する。ボールを大切にプレーしようとする気持ちも伝わってきた。若者として最も重要な勇気を持ってプレーするということに心ひかれた。素晴らしい試合だった」

富士大学の天皇杯の挑戦はここで終わった。そんな学生に対し、スペイン人指揮官の男気あふれる行動だった。

東京と札幌が勝ったことで、J1勢を打ち崩すジャイアントキリングは今年は起きなかった。しかし、別のドラマが味スタで生まれたのである。

<サッカー>韓国、パラグアイと2-2劇的ドロー

2022-06-11

パウロ・ベント監督が率いるサッカー韓国代表が10日午後8時、水原(スウォン)ワールドカップ競技場でパラグアイ代表と親善試合を行い、2-2で引き分けた。前半と後半にパラグアイのFWミゲル・アルミロン(ニューカッスル)に1ゴールずつ許したが、孫興民(ソン・フンミン、トッテナム)のFKゴールと鄭優営(チョン・ウヨン、フライブルク)の終了間際のゴールで劇的に追いついた。

パラグアイはFIFAランキング50位で、今月の4連戦のうち戦力が最も低いチームだが、韓国代表は孫興民のゴールが生まれるまでは劣勢で0-2とリードされていた。南米特有の速いテンポと安定したボール支配能力を見せたパラグアイは速い逆襲で何度か韓国のゴールを脅かした。韓国代表は前半23分、守備のミスからアルミロンに最初の奪われたのに続き、後半開始5分にも守備が崩れて失点した。

良くない雰囲気を変えたのは孫興民だった。後半21分にペナルティボックス正面で得たFKを孫興民が右足でゴール左上に正確に突き刺した。6日のチリ戦のFKゴールをもう一度見るような名場面だった。

1-2で敗色が濃厚となった後半ロスタイム、今度は若手の厳元尚(オム・ウォンサン、蔚山現代)と鄭優営(チョン・ウヨン)の呼吸が光った。厳元尚が右サイドから折り返したパスを鄭優営が落ちついてゴールに蹴り込み、劇的に引き分けに持ち込んだ。

これで韓国のパラグアイ戦の歴代対戦成績は2勝1敗4分けとなった。韓国は1986年の最初の対戦で1-3で敗れて以降36年間にわたりパラグアイに一度も負けていない。

韓国代表はブラジル、チリ、パラグアイに続いてエジプト(FIFAランキング32位、14日ソウル)との今月最後の親善試合を行う。

天才・小野伸二も驚がく!日本代表のキーマン鎌田大地「ワクワク感を与えてくれる」

2022-06-11

11月にカタールで開幕するワールドカップへ向けて強化試合4連戦に臨んでいる日本代表は2日、パラグアイから4ゴールを奪い快勝した。この試合で注目されたのが鎌田大地、25歳。元日本代表の天才司令塔が見た鎌田の才能とは…?

日本代表のキーマン鎌田大地

2日のキリンチャレンジカップ2022パラグアイ戦。し烈な代表サバイバルが始まる中、ひときわ輝きを放ったのが鎌田大地だ。7カ月ぶりに代表復帰を果たすと、インサイドハーフとして抜群の運動量で攻守にわたって奔走した。1ゴール1アシストをマーク、代表生き残りへ強烈なインパクトを残し、手ごたえを口にした。 「いつも通り自分らしいプレーができたと思うし、このまま続けていきたいなと思います」

天才・小野伸二も驚がく!

「きょうのパフォーマンスを見て、監督もうれしい悩みが増えたんじゃないかと思います」 こう語るのは、日本史上最高のファンタジスタ小野伸二(42・現在は北海道コンサドーレ札幌に所属)だ。日本、オランダ、ドイツ、オーストラリアでプレーしワールドカップには3度出場、見る者の想像を凌駕する奇想天外なプレーでピッチの支配者であり続けた。そんな小野の目に鎌田のプレーはどう映ったのか? 「冷静さだけじゃなく、隅々までピッチを見れている。相手にとって一番嫌なところを毎回選択していた」 その冷静沈着なプレーの裏にあったものは… 「ヨーロッパリーグとかそういうものを経験して、優勝というものが自信につながった中で、ああいうプレーが出たんじゃないかなと思います」 ドイツの名門フランクフルトに所属し、今季は公式戦で9ゴールをマーク。ヨーロッパの強豪が集うヨーロッパリーグでは2021-02シーズンのフェイエノールト小野伸二以来、日本人20年ぶりとなる優勝を達成した。

鎌田大地の武器

タレントひしめく日本代表の中盤で、この男の確固たる武器とは?鎌田は自身の強みをこう挙げる。 「得点に絡めるということくらいですかね。中盤やるならうまく得点に絡めたらいいなと思います」 フランクフルトでも時にFWを任されるなど、その決定力は折り紙付き。それでいて中盤MFでは様々な役割を担うことができるハイブリッドなプレーヤーだ。そんな今、ノリに乗っている男は2日のパラグアイ戦で小野伸二をも唸らせるプレーを披露した。 それは後半36分のプレー。細かいタッチでドリブルを仕掛けると、相手の裏を突くタイミングでシュート。意外すぎることもさることながら、このシュート、DFの股の下を通していたのだ。これには小野も驚きを隠せない。 「ゴールには至らなかったですけど、ペナルティエリア内にドリブルで進入していって、そこでアウトサイドでシュートするんだ!?みたいな。人を楽しませてくれる、何をしてくれるんだろう、次どういうプレーをするんだろうという、ワクワク感を与えてくれるプレイヤーですね」

「勝ち続けてワールドカップまでいきたい」

まさに冷静と情熱の間で変幻自在のプレーを見せる唯一無二の男、鎌田大地。 「代表入りへの競争は激しいと思いますけど、しっかり結果を残せれば問題ないかなと思います。W杯は子供の頃から夢見てやってきているところなので、活躍すれば自分の名前ももっと売れると思うし、勝ち続けてワールドカップまでいきたいと思います」 11月に開幕するW杯本大会に向け、鎌田の躍進はここからさらに加速していく。