大胆な戦術とモチベーターとしての役割。若手選手の躍動に見るスキッベ監督の魅力《吉田安孝の紫風堂々》

2022-06-09

サンフレッチェ広島OB・吉田安孝氏がチームに対する愛情と情熱をぶつける全力コラム。4月以降、快進撃が続くサンフレッチェの戦いについて語ってもらった。

◆誰がヒーローになるか予測がつかない選手層の厚さ

快勝した5月7日の鹿島戦でのフォーメーションはぶっつけ本番でのチャレンジでしたが、結果が出せたことで、今後の選択肢の一つとして強烈なインパクトを残しました。今シーズンは東と松本泰志のボランチ起用もありましたし、チャレンジングな試合が本当に多いです。監督の思い切りの良さが上手く作用して、選手も生き生きとプレーできている印象を受けます。

ここ数試合、ボランチのサプライズ起用が続いた中で、改めてボランチの仕事の大切さも感じました。特に鹿島戦は、1ボランチとしてプレーした野津田にとっては対応範囲が広く難しいシステムだったと思いますが、影のMVPと評価していいほど頼もしい動きを見せてくれました。本当に素晴らしい成長を遂げていると思います。

スキッベ監督の特徴に大胆な戦術も挙げられますが、一番の魅力は『モチベーター』としての部分だと思います。選手のやる気を上手く引き出し、若手ものびのびとプレーできる環境を整えています。なかなか出場機会に恵まれない選手であっても、モチベーションを上げるように常にコミュニケーションをはかっていますね。どの選手が試合に出てもしっかりと『自分の色』を出せるのは、そうした監督の方針もあるのでしょう。  そもそも、今、目覚ましい活躍をしている満田や野津田は、開幕メンバーからは外れていました。その2人が、今やチームの核になって活躍している。選手からすれば『カップ戦で活躍すればリーグ戦に出ることができる』と前向きに捉えることができるでしょうし、『活躍するために、どのポジションであっても良いプレーをする』という好循環が生まれている気がします。次は誰がヒーローになるのか予測が付かない今の状況に、選手層の厚さを感じますね。

広島ジュニオール・サントスが札幌戦で喜び爆発「記録を達成できて…」

2022-06-09

明治安田生命J1リーグのサンフレッチェ広島に所属するブラジル人FWジュニオール・サントス(27)は今月4日、YBCルヴァンカップ・プレーオフステージ第1戦の北海道コンサドーレ札幌戦で2ゴールをマーク。試合後には、節目の記録に超えたことに対する喜びをあらわにしている。

ジュニオール・サントスはブラジル2部のポンチ・プレッタや1部のフォルタレーザ、柏レイソル、横浜F・マリノスなどをへて、2021年にサンフレッチェ広島へ移籍。加入1年目にJ1リーグで7ゴールをあげると、今季はここまでリーグ戦10試合の先発出場で2ゴールをマークしている。

その中で迎えた北海道コンサドーレ札幌戦では、1-0で迎えた65分にペナルティエリア手前からの強烈なミドルシュートでゴールネットを揺らす。そして87分には自陣でボールを奪うと、ドリブルで一気に相手ゴール前へ。最後はGK中野小次郎(23)との1対1からループシュートでゴールマウスに流し込んでいた。

ブラジルメディア『ランセ』の報道によると、ジュニオール・サントスは北海道コンサドーレ札幌戦での2ゴールによりキャリア通算51ゴールに到達。50ゴールを上回ったことについて本人は「この瞬間と、この記録を達成できたことをとてもうれしく思っているよ。もし神が許すのならば、もっと大きな記録を達成できるだろうね」とゴール量産に向けての意気込みを語っている。

また、ルヴァンカップ・プライムステージ進出へ近づいたことについては「(北海道コンサドーレ札幌戦の勝利は)チームにとって非常に良いことだし、(第2戦にむけて)大きなアドバンテージを得ることができた。だけど、前進するためにはこのレベルを維持しなければならないね。難しいことだと分かっているけど、準備は万端だよ」と語っている。

なお、ルヴァンカップ・プレーオフステージの第2戦は今月11日に開催。3ゴールを奪ったサンフレッチェ広島が優位とみられる中、ジュニオール・サントスのパフォーマンスに注目が集まる。