C大阪U-18MF清水大翔(2年)_ほんの少し先の“未来”はずっと先の輝く“未来”へ。若桜の異才、覚醒中

2022-05-31

ほんの少し先の“未来”が見えているに違いない。前を向いた時に出てくるアイデアは、テクニックに優れた選手の揃うチームの中でも群を抜いている。穏やかな口調と、まだあどけなさすら残る表情は、あくまでもフェイク。この男から目を離せば、あっという間に急所を撃ち抜かれる覚悟を決めなくてはいけない。

「今まではボールを受ける時に緊張して、受けたくないこともあって、ミスが怖かったりしたんですけど、まず“自分の位置”にしっかり止めたら、相手も止まってくれたり、自分の下にボールがある安心感も出てきたので、そういう意味では島岡さんのサッカーに少しずつ慣れてきて、緊張も少しづつ解けて(笑)、やってこれていますね。それは継続しつつ、もっと自分主体でゲームを動かしていけるような形にしたいです」。

セレッソ大阪U-18(大阪)で頭角を現しつつある、確かな才能。MF清水大翔(2年=セレッソ大阪U-15出身)に見えるほんの少し先の“未来”は、もっとずっと先の輝く“未来”にそのまま直結している。

感覚は180度変わったという。「去年から島岡さんが監督になって、スルーパスの概念が変わったんです。今までは『スルーパスはスペースに出す』という感覚でやってきたんですけど、『スルーパスも足元に届けて、スペースに走らせない』というところは去年から意識してやってきました。最初は対面のパスから始めて、徐々に動きながら、味方が走っているところの足元に届けるという練習は、ずっとしています」。

その練習の成果が十二分に発揮されたのが、サガン鳥栖U-18(佐賀)戦のチーム3点目だ。MF伊藤翼(3年)からパスが届けられると、「自分自身はターンするイメージを持っていたんですけど、右足の方にパスが来たんです」と振り返る清水は、「一応背後を見た時に、身体の向きを作って待っているリツがいたので、あとは雑な感じになるかもしれないですけど、リツの足元に届けるというところだけを考えて、パスを出しました」とFW皿良立輝(2年)の足元にスルーパスをピタリ。貴重な追加点をアシストで演出してみせる。

「アイツが前を向いた時には、他のメンバーが見えていないところが見えていると思います。でも、まだそこの回数が少ないし、本人も足りないと感じているはずやし、ゲームの中で自分が作っていかないとダメな部分だと思いますけど、今年に入ってもちょっとずつ変化はしているんです」とは島岡健太監督。その力を認めているからこそ、求める水準はもちろん低くない。

本人もそのことはよくわかっている。「僕自身は体も小さいですし、線も細くて、対人も強いわけではないんですけど、守備の部分ではポジショニングやゴールに直結するところを防ぐという部分では、良い立ち位置を取れたと思います。攻撃では自分自身にも後半はゴールを狙えるチャンスがあった中で、シュートの本数が少なくて、パスの方を優先してしまったという面では、反省して次に繋げられればいいなと感じています」。自己分析もきっちりと、丁寧に言葉にできるあたりからも、クレバーさが窺える。

ジュニア時代は京都の長岡京SSでプレー。1歳上には静岡学園高のMF高橋隆大(3年)やガンバ大阪ユースのDF桒原陸人(3年)も在籍していたチームで腕を磨きながら、スクールに通っていた京都サンガF.C.のU-15のセレクションにトライするも、結果は不合格。練習参加を経て、雰囲気の良かったC大阪U-15へと進んだ経緯がある。「もともと寮にするつもりもあったんですけど。やっぱり家が良いなと(笑)」、今は電車で練習へと通っているというが、「公共交通機関の乗り継ぎがいいところなので、来るのは簡単ですね」とさらり。やはり生粋のサッカー小僧だ。

参考にしている選手は、聞けば納得。「外国人で言えばやっぱりイニエスタ選手で、日本人だと大島僚太選手です。センスでやっている部分ももちろんあると思いますけど、『いつそこを見ていたのかな?』『そういうパスはどうすれば出せるのかな?』ということをメチャメチャ考えさせられるような選手たちなので、そういう人たちは参考にしています」。

その上で、自分が目指すべきイメージも明確だ、「見ている人が『おお!』となるような、パスで驚きのあるプレーができる選手になりたいと思っています」。

桜色のユニフォームに袖を通した異才。清水が多彩な色で塗り上げていくピッチ上の“景色”は、もっとずっと先の輝く“景色”にそのまま直結している。

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