FC東京アルベル監督が富士大学の円陣に「男気の緊急参加」! 「勇気を評価する」と学生に激励の言葉を送る

2022-06-11

■6月9日/天皇杯2回戦〔31〕 FC東京 2ー0 富士大学(味スタ)

代表期間中に行われた天皇杯2回戦。FC東京が富士大学を危なげなく撃破し、3回戦に進出した。渡邊凌磨がゴール前の混戦から先制ゴールを奪うと、アダイウトンがPKで追加点を奪取。後半は追加点を奪ことができなかったが、完封勝利した。

隙を見せない試合運びだった。多くのJ1チームがすでに天皇杯2回戦を終えた中で、FC東京とコンサドーレ札幌だけはこの日に試合が行われた。日程に余裕ができたとはいえ、スターティングメンバーはリーグ戦のそれから大幅に変更したものではなかった。

最終ラインはキャプテンマークを巻いた森重真人にこれが味スタラストマッチとなった小川諒也、そして木本恭生と中村帆高だ。中盤は東慶悟、渡邊凌磨、安部柊斗で3トップは永井謙佑、アダイウトン、山下敬大。GKは波多野豪。アダイウトン以外の外国人を休ませた形で組んだ。相手がどこであってもベストを尽くそうとするアルベル監督の意志が垣間見せたメンバーだった。

富士大学との力の差は歴然としていた。スピードやテクニックはもちろん、球際の強さでも一切手抜きはなかった。ジャイアントキリングが起きる素地はなかったともいえる。それでも、富士大学は守備を固めてカウンターというサッカーを選択しなかった。ボールを保持しようと努め、チャンスがあればスルーパスを通そうとするなど、チャンスをうかがった。

■富士大学の円陣に加わったアルベル監督

そんな姿勢が、アルベル監督の心に刺さった。試合後、富士大学の選手がピッチの上で円陣を組むと、そこにアルベル監督が加わったのだ。そして、選手に激励のメッセージを送った。

「勇気を持ったプレーをしてくれた。とても評価する。ボールを大切にプレーしようとする気持ちも伝わってきた。若者として最も重要な勇気を持ってプレーするということに心ひかれた。素晴らしい試合だった」

富士大学の天皇杯の挑戦はここで終わった。そんな学生に対し、スペイン人指揮官の男気あふれる行動だった。

東京と札幌が勝ったことで、J1勢を打ち崩すジャイアントキリングは今年は起きなかった。しかし、別のドラマが味スタで生まれたのである。

城福浩氏が清水次期監督の有力候補に 09年東京でナビスコ杯制覇、18年J1広島で2位

2022.05.31

清水エスパルスの次期監督に昨季までサンフレッチェ広島を指揮していた城福浩氏(61)が有力候補に挙がっていることが30日、分かった。

クラブはこの日、平岡宏章監督(52)との契約を双方合意の上で解除したと発表。今季は2勝7分け7敗で16位に低迷。成績不振を理由に事実上の解任となる。6月1日の天皇杯2回戦は、篠田善之ヘッドコーチが「代行監督」として指揮を執る。

城福氏はJリーグの計3クラブで監督を歴任。就任となれば、昨年10月以来約8カ月ぶりの現場復帰となる。09年には東京で当時のナビスコ杯を制覇。広島を指揮した18年にはJ1で2位になるなど、実績も残している。清水は4年連続となるシーズン途中での監督交代に踏み切った。

なお城福氏のほかに、外国人監督の招へいも検討しているという。

◆城福浩(じょうふく・ひろし)1961年(昭36)3月21日、徳島市生まれ。徳島・城北高、早大を経て、川崎Fの前身・富士通に入社。29歳で現役を引退し、指導者に転身。富士通監督やU-17日本代表監督を歴任。08年から監督を務めた東京では09年のナビスコ杯優勝。甲府では12年にJ2優勝に導いた。18年から21年まで広島を指揮。家族は夫人と1男1女。

セレッソ大阪【J1リーグ第16節 湘南vs. C大阪】今季初の3連勝を目指す一戦。好調・湘南ベルマーレを破り、トップ3に肉薄したい

2022-05-31

鮮やかな逆転勝ちを収めた“大阪ダービー”に続き、前節は浦和レッズに2-0で勝利。今季初の連勝を果たし、順位も5位に浮上。チームの士気は上がっている。3連勝を目指して戦う今節は、湘南ベルマーレのホームに乗り込んでの一戦になる。リーグ3連戦の3試合目、さらには暑さも予想される15時キックオフ。タフな試合になることは間違いないが、総力を振り絞り、勝って上位に食らいつきたい。

ホーム連戦となった前節、セレッソ大阪は、“大阪ダービー”の勢いそのままに、序盤はチャンスを作るも仕留め切れずにいると、前半の中盤からは浦和に押される時間帯が続いた。何度か決定機も作られたが、無失点で前半をしのぐと、後半は「攻守に修正」(小菊昭雄監督)を図り、流れを引き寄せる。古巣戦となった山中亮輔のクロスで獲得したPKを清武弘嗣が決めて先制に成功すると、その後の浦和も反撃も抑え、終盤には毎熊晟矢のゴールで追加点。「こういう勝ち方ができるチームは、どんどん強く逞しく成長していく」と小菊監督も手応えを語る会心の試合運びで勝利を収めた。

チームとして、ボールを握った時、相手に握られた時、それぞれの時間帯における選手の役割が整理され、試合運びもスムーズになってきた現在。選手個々で見ても、2試合連続で複数得点の攻撃陣では、清武が好調。絶妙なパスでチャンスを作り、攻撃を引っ張っている。また、2試合連続で終盤に得点に絡んでいる毎熊も連勝に貢献し、オーストラリア代表に復帰したアダム タガートも、コンディションを上げている。そうした中で迎える今節の湘南戦も、いかに相手の守備を打破し、得点につなげることができるかがポイントになる。プレスとリトリートの守備戦術を使い分けてくる湘南に対し、セレッソとしては、相手の立ち位置も見つつ、効果的にボールを運び、フィニッシュに持ち込みたい。

セレッソと同じく湘南も、現在はリーグ戦で連勝中。公式戦では3連勝と勢いに乗っている。特に前節は敵地で川崎フロンターレに4-0の快勝を収めており、チームとしての戦い方も定まってきた感がある。特にボールを奪ってからの素早いカウンターは鋭く、セレッソとしても警戒が必要だ。「リスクマネジメントも含め、隙なく全員が集中して90分間戦うこと」を指揮官も試合のポイントに挙げたが、ビルドアップの際に、不用意なボールの失い方は極力避けたい。冒頭でも記したように、今節はリーグ3連戦の3試合目、さらには暑さの残る15時キックオフ。肉体的にもタフな試合になることが予想されるだけに、試合中の選手交代もカギを握り、最後まで走り抜く強いメンタルも要求される。連勝中のチーム同士、競った展開が予想される対決を制し、3連勝で、上位3チームに肉薄したい。